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勤務態度不良社員の普通解雇

ご相談内容

kano1.jpg   A社は、従業員が約20名のサービス業の会社です。

営業成績不良、勤務態度不良の中途社員を普通解雇しました。この社員は営業成績が2年間にわたり最下位で、取引先に嘘の報告をしたり約束の時間に遅れるなどクレームも多数、しかも就業時間中に居眠りをしたりアダルトサイト・競馬サイトを閲覧するなどしていた問題社員でした。
社長は非常に温厚な方で、これまで当該社員に口頭注意はしていたものの、懲戒処分は一切行っていませんでした。

そんな社長も堪忍袋の緒が切れて、最終的には解雇してしまった事案です。解雇後すぐに当該社員は、地位保全等仮処分命令の申立てを起こしました。A社は、当然解雇は有効であると信じて弊事務所に相談に訪れました。
 

どのように解決したか?

普通解雇といえども解雇権濫用法理のある日本においては、解雇が有効と認められるためにはそれなりの理由と手続きの履践が必要です。

特に、営業成績不良といった能力不足については、裁判官もイメージしにくく、しつこいほど教育指導を行い、配置転換など能力発揮の機会を与える等、すべきことを尽くさなければ解雇を有効と認めません。また、勤務態度不良についても、注意指導を行い改善の機会を与えることが必要です。確かに、この事案での能力不足、勤務態度不良の程度は、従業員としての適性を欠くほどに達していたといえました。また幸運にもサイトの閲覧履歴や取引先からのクレームメモが残っており、客観的な裏付けがありました。ただ、解雇に至るまでのプロセスをみると、口頭注意はあるものの、一度も文書での注意や懲戒処分をしておらず、教育指導、改善の機会付与という点では足りないという印象を持ちました。そこで、会社の方に説明をし、仮処分手続の中で退職和解を目指すこととしました。
 
次に、仮処分手続の中でどうすれば有利に退職和解ができるかを検討しました。
仮処分手続とは、簡単に言うと解雇が有効か否かを本裁判で争う前に、前哨戦として裁判所に判断してもらう手続きで、解雇が無効であり、保全の必要性が認められると、本裁判で結論が出るまで会社は仮に給料を支払うよう命じられます。通常、解雇裁判は結論が出るまでに1年や2年かかります。その間、会社は働きもしない当該社員に給料だけ毎月払い続けることになります。これは会社にとって大きな負担となります。また仮処分というだけあって「仮」の手続きであり、審理の期間も短く、会社側も重要な主張や証拠は短期間でまとめて提出しなければ、申立人が主張するがまま解雇無効と判断されかねません。まさに時間勝負です。

①短期間で対象社員の非違行為を洗い出してまとめる
そこで、短期間に何度も打ち合わせの機会を設け、対象社員の問題行為とそれを裏付ける証拠を洗い出しました。とにかく裁判所に、このような社員は職場に戻せない、会社の言い分も理解できる、と思わせることが必要でした。会社の方の協力もあり、短期間で問題行為を洗い出すことができました。
 
②対象社員の財産を洗い出す
これは仮処分手続に特有の問題ですが、あくまで仮の手続きなので、仮に給料の支払いをしなければいけない経済状況かどうかという、保全の必要性も要件になります。そこで、徹底的に対象社員及びその家族の財産状況について申立人側に釈明を求めました。しかし、申立人側はなぜかこの社員の預金通帳の開示を拒みました。この点は裁判官も気になったようで、裁判官からも開示を要請しましたが、申立人側は最後まで開示しませんでした。
 
上記①、②の二本立てで臨んだところ、裁判所からは、早期に和解の打診があり、その中で特に②の保全の必要性について、裁判所は申立人側の疎明が足りない(仮処分の申立ては認められない)との心証を示しました。この裁判官の心証の開示により、退職和解に向けての話し合いが加速し、最終的には少ない解決金の支払いのみで退職和解となりました。
 
この事案では、短期間で問題行為をまとめることができたことと、仮処分特有の保全の必要性に着目したことで、早期の解決が可能になったと思われます。この会社の場合、問題社員がこの一名だけであったので、労使トラブルはひとまずなくなりました。

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