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最近はパワハラが団体交渉の議題になることがよくあります。
これがパワハラに当たるのかなと理解に苦しむことも多くありました。
上司や経営者と人間関係がうまくいかない場合、自分の意に沿わない場合は全てパワハラにあたると主張する方や合同労組もいます。
冗談で言っているのかなとも思うことがありますが、表情からすると真剣で、冗談で言っているわけではないのだと初めて理解することもありました。
ある合同労組に社員が加入した事案でパワハラに当たるか否か問題になったことあります。
・指示した作業をいつまでも行わないので注意したこと
・就業時間中にインターネットばかり見ているので注意したこと
・指示した作業をいつまでも行わないので締め切りを設定して文書で作業を行うように指導したこと
・お客様に失礼な態度を取ったのでそのことを注意したこと
がパワハラに当たると主張してきた事案もあります。
確かに多少厳しい口調で注意をしたのかもしれませんが、人格を否定した様な発言はなく、民法上の不法行為などに当たることはない事案でした。
しかし、組合員の方はこのパワハラなる行為により心療内科に通うようになり、夜も眠られなくなったと主張します。
事実関係にも食い違いがあり、言ったのか言わないのか客観的な証拠は双方とも無く、これも議論が平行線を辿ったことがありました。
結局、合同労組が労働委員会のあっせんを申したて、その中で退職するかわりに一定の金銭を支払うことで話がまとまりました。
私は労働審判などを通じて裁判所特に東京地裁労働部があまりパワハラを認定しないことを知っていましたので、パワハラについては安易にお金を支払うべきではないと考えていますが、退職などにより紛争が解決することができるのであれば、トータルの解決金は多少譲歩しても良いかと思います。
今後このようなパワハラに関するトラブルはますます増えてくると感じます。
目次
①パワハラについては、違法であると認定されることは意外と少ない。
②対象厳しく注意してくらいでは違法にはならない。
③パワハラと主張されても、ひるむ事無く具体的事実を主張する。
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この記事の監修者:向井蘭弁護士
杜若経営法律事務所 弁護士
弁護士 向井蘭(むかい らん)
【プロフィール】
弁護士。
1997年東北大学法学部卒業、2003年弁護士登録(第一東京弁護士会所属)。
同年、狩野祐光法律事務所(現杜若経営法律事務所)に入所。
経営法曹会議会員。
労働法務を専門とし使用者側の労働事件を主に取り扱う事務所に所属。
これまで、過労死訴訟、解雇訴訟、石綿じん肺訴訟。賃金削減(就業規則不利益変更無効)事件、男女差別訴訟、団体交渉拒否・不誠実団体交渉救済申立事件、昇格差別事件(組合間差別)など、主に労働組合対応が必要とされる労働事件に関与。近年、企業法務担当者向けの労働問題に関するセミナー講師を務める他、労働関連誌への執筆も多数
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