営業回りの従業員から残業代請求の訴訟が提起されたが、請求額の約1割の額で和解による解決を図ることができた事例

 

【業種】 食品製造販売
【解決方法】 訴訟(和解)
【結果】

請求額 解決金
約800万円 約80万円

 

 

お問い合わせ状況

営業職の従業員からなされた未払い残業代支払請求についてのご相談でした。

 

当該従業員は、いつも一定の時間になると「営業に行く」と述べて外出していたという事情がありました。

 

 

当事務所の対応と結果

営業先の調査

先方の主張を精査した結果、仮に主張通りに営業回りに行っていたとすると相当な数の営業をしていなければ辻褄が合わないということが判明しました。

 

そこで、実際にどこの営業先に行ったのか本人に回答を提出させた上で、当該営業先に行ったという事実があるのか確認する等の調査活動を行いました。

 

その結果、当該従業員は、会社に対し一部虚偽の報告を行っていたということが判明しました。

 

裁判サポート

裁判において、上記調査結果も踏まえた上で原告主張の労働時間は論拠に欠ける部分があるということを主張しました。

 

 

本案件のポイント

 

訴訟において和解を試みる際、単に当事者同士がフリーハンドの和解を締結するのではなく、両当事者から提出済みの主張立証内容を踏まえた上で裁判官から一定の心証が示され、示された心証を前提として和解が締結されるというのが通常の流れです。

 

したがって、たとえ和解を着地点を見据えていたとしても、裁判官から有利な心証を引き出すためには客観的論拠に基づいた適切な主張立証活動を行うことを欠かせません。

 

本件においても、上記金額での和解で解決するためには、先方の主張がどこまでが認められるものであって、どこまでが客観的論拠に乏しいものなのか、という点を適切に主張立証することが不可欠でした。

 

使用者側労働問題を専門的に取り扱う弊所では、それぞれのお客様がおかれている状況において最も効果的である主張立証活動を展開するための十分な経験と蓄積があります。是非お気軽にご相談ください。

 

 

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今回ご紹介した企業様からは裁判終了後も当事務所との顧問契約を継続していただいており、賃金制度設計の見直しや日頃の労務管理についてのアドバイスをさせていただいております。労働紛争は目の前の紛争事件の解決のみではなく、紛争が解決した後に同じような問題が起こらないようにフォローすることも重要になります。
 
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この記事を執筆した弁護士

杜若経営法律事務所 弁護士
向井蘭(むかい らん)

出身地:
山形県。
出身大学:
東北大学法学部。

企業法務を専門とし、解雇・雇止め・未払残業代・団体交渉・労災など、使用者側の労働事件を数多く

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