介護施設の従業員が、利用者の移動を支える作業中に腰を痛めたとして、会社に損害賠償請求してきたが、6割以上の減額に成功した事例

【業種】  介護福祉事業
【解決方法】  労働審判(和解)
【結果】 請求額の4割以下の解決金支払いによる紛争解決を実現

 

お問い合わせ状況

介護施設の従業員が、利用者の移動を支える作業中に腰を痛めたとして、雇用先の企業様に対して、安全配慮義務違反に基づく高額な損害賠償請求の労働審判を起こしてきたというご相談でした。

事故の態様や、従業員自身のやり方に問題はなかったのか、会社としての指導体制が争点となり、解決のサポートをいたしました。

 

当事務所の対応と結果

事実確認

企業の担当者様から、聞き取りを行い、事故の内容はどのようなものだったのか、指導体制等、今後のポイントとなる事項を具体的に聞き取りました。

 

また、請求を起こした従業員は、ケガにより日常生活に支障が生じていることを主張していたので、弊事務所とつながりのある探偵とも連携して、主張されている通りの生活上の支障が出ているかも調査を行いました。

 

 

訴訟サポート

労災事案では、争点に対する事実認定に時間を要することが多く、通常訴訟により双方の主張を徹底的に行うことが通常です。

しかしながら、今回、請求してきた従業員は、通常訴訟ではなく労働審判の手続きを利用して会社に請求してきました。

 

相手方従業員についていた代理人は、労働者側の労働案件に数多く携わっている弁護士であり、そのような弁護士があえて労災事案を労働審判で起こしてきた点に気づいたことが、本件を解決するにあたってのポイントとなりました。

 

すなわち、労働審判は短期間のうちに決着をつけられる点に特徴のある制度であり、この手続きを利用してきたということは、相手方に早期解決の意向がかなり強いということがうかがえました。

こちらとしては、あえて腰を据えて徹底的に争いうるという姿勢を示し、このまま紛争が長期化する可能性がある旨を裁判官に申し向けました。

 

その結果、裁判官から相手方へ、請求を譲歩して早期に和解をまとめるよう説得をしてもらうことができました。

 

 

本案件のポイント

上記のように、相手方に早期解決の意向が強いのだろうということを読み取り、早期和解のタイミングを逃さずに解決することができました。

 

先方の紛争解決手段選択からその意図や戦略を具体的に読み取ることができるのは、専門事務所だからこそできる判断といえます。結果として、請求額の8割以上も減額することに成功いたしました。

 

当事務所は使用者側の労働問題を数多く解決してまいりました。是非一度ご相談ください。

 

当事務所は会社側の労務問題について、執筆活動、Podcast、YouTubeやニュースレターなど積極的に情報発信しております。
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この記事を執筆した弁護士

杜若経営法律事務所 弁護士
向井蘭(むかい らん)

出身地:
山形県。
出身大学:
東北大学法学部。

企業法務を専門とし、解雇・雇止め・未払残業代・団体交渉・労災など、使用者側の労働事件を数多く

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