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目次
業種 | 病院 | |
従業員数 | 100名未満 | |
解決方法 | 訴訟 | |
結果 | 請求額 | 解決金 |
残業代請求、損害賠償請求 合計600万円(付加金請求込みで1100万円)以上 |
解決金200万円の支払い |
退職した職員が代理人をつけて訴訟外で未払い残業代を請求してきたことについてのご相談でした。
訴訟外で未払い残業代についての法人の見解を回答したところ、未払い残業代と安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求訴訟が提起されました。
訴訟では主に残業代について双方の主張立証が行われました。法人としては①原告が管理監督者に該当すること、②固定残業代が有効に支給されていたこと、③1か月の変形労働時間制が適用されること、④始業時刻前の労働はなかったこと、⑤休憩時間は所定どおり取得できていたことを主張しました。
①と②については法的に有効とは言い難く、裁判所も無効前提の心証を示していましたが、③は原告が争わず、④については原告が主張立証しなければならないところ、原告の立証が不十分であるとして裁判所が法人に有利な心証を抱いておりました。
訴訟の終盤では、法人側は①原告が管理監督者に該当するパターン、該当しないパターン、②固定残業代が有効のパターン又は無効のパターンで、始業時刻前に労働しておらず、所定どおりに休憩時間を取得していたという前提でそれぞれ試算した結果を裁判所に伝えました。
最終的には裁判所の心証を踏まえ、①原告が管理監督者に該当せず、②固定残業代が無効であるという前提で試算した額よりも上積みした金額として200万円を提示しました。
法人としては、上記提示額よりも大きい額を支払うことも検討していましたが、労働時間については裁判所が有利な心証を抱いている中で、法人の試算結果よりも上積みした金額を提示したことが奏功し200万円の支払いで和解が成立しました。
残業代請求では、始業時刻前・終業時刻後も含めてタイムカードに記録されている時間が全て労働時間に該当することを前提に残業代を請求されることがあります。これは、下級審裁判例でタイムカードの記録を前提として労働時間を認定しているものがあることによりますが、本来、労働時間は労働者側が具体的に労働したことを主張立証しなければなりません。
特に、始業時刻前(早出出勤)については、業務上の必要性がなく早めに出社しているということも一般的に見られるため、労働者側が労働時間該当性を主張立証しなければならないとして、始業時刻以降の部分を労働時間として認定している裁判例も見られます。本件においても、裁判所はそのことを前提として、始業時刻前の労働時間については法人に有利な心証を抱いていました。
そのため、使用者側としては、タイムカードの記録があったとしても、労働者側がいかなる業務上の必要性から、どのような業務を行っていたのか等ということの主張立証が不十分であればそのことを指摘するべきです。
使用者側の労務トラブルに取り組んで40年以上。700社以上の顧問先を持ち、数多くの解決実績を持つ法律事務所です。労務問題に関する講演は年間150件を超え、問題従業員対応、残業代請求、団体交渉、労働組合対策、ハラスメントなど企業の労務問題に広く対応しております。
今回ご紹介した企業様からは裁判終了後も当事務所との顧問契約を継続していただいており、賃金制度設計の見直しや日頃の労務管理についてのアドバイスをさせていただいております。労働紛争は目の前の紛争事件の解決のみではなく、紛争が解決した後に同じような問題が起こらないようにフォローすることも重要になります。
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