解雇の場合の答弁書

解雇の場合の答弁書

能力不足の解雇の場合

会社が労働者の能力がないことを解雇理由として主張するのであれば、日報、営業成績の数値、お客様からのクレームの有無など具体的事実を答弁書に記載しなければなりません。

仕事ができないと抽象的に記載するだけでは、意味がありません。具体的事実を指摘しなければなりません。

例えば、会社が営業職の従業員を能力不足であるため解雇した場合は、単に仕事が出来ないと述べるだけではなく、従業員のこれまでの営業数値を証拠として提出し、かつ他の従業員と比較するなど具体的事実を示さなければなりません。

また、会社が何度も営業職の従業員に対し、注意、指導したことを具体的に主張立証しなければなりません。

具体的には注意指導したという面接・指導記録などがあればそれを提出して立証することになります。

 

勤務態度不良を理由にする解雇の場合

会社が労働者の勤務態度が不良でることを解雇理由として主張するのであれば、勤務態度不良の具体的事実を示さなければなりません。

具体的には、欠勤、遅刻がわかる日報、出勤簿、お客からのクレームが記載されている記録(第三者が言っていることなので信用性が高い)、過去の懲戒処分歴など具体的事実を示さなければなりません。

 

整理解雇の場合

ある整理解雇の事例で、会社の業績は苦しかったのですが、会社の手続に問題があった事例で(希望退職を募集しなかったなど)、経営上の必要性がきわめて高い、このままいくと倒産してしまうということを数字をふまえて記載したところ、裁判所も非常にそのところを配慮していただいて、比較的会社の希望する数字に近い和解案を出していただいたことがあります。

 

解雇一般について

会社が解雇をするということは、何らかの理由があって行うことがあるので、仮に会社に不利な事案であっても会社の言い分を具体的に記載して理解してもらうことで、事案を裁判所に正確に理解してもらうことができます。

労働審判は、白黒をはっきりさせる制度ではないので、粘り強く対応して少しでも会社に有利な数値で和解することを目指すべきです。

 

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この記事の監修者:向井蘭弁護士


護士 向井蘭(むかい らん)

杜若経営法律事務所 弁護士
弁護士 向井蘭(むかい らん)

【プロフィール】
弁護士。
1997年東北大学法学部卒業、2003年弁護士登録(第一東京弁護士会所属)。
同年、狩野祐光法律事務所(現杜若経営法律事務所)に入所。
経営法曹会議会員。
労働法務を専門とし使用者側の労働事件を主に取り扱う事務所に所属。
これまで、過労死訴訟、解雇訴訟、石綿じん肺訴訟。賃金削減(就業規則不利益変更無効)事件、男女差別訴訟、団体交渉拒否・不誠実団体交渉救済申立事件、昇格差別事件(組合間差別)など、主に労働組合対応が必要とされる労働事件に関与。近年、企業法務担当者向けの労働問題に関するセミナー講師を務める他、労働関連誌への執筆も多数

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